「Type A-2からのメッセージ」
1930年代に開発され第2次大戦の全期間で着用された飛行服、Type A-2...20〜40万着を超える数が生産され、北アフリカ、イギリスやフランスを拠点としたヨーロッパ諸国、オーストラリア大陸を中心とした南太平洋、中国、インド、ビルマのアジア圏などすべての戦域で着用されていました。その生産拠点もアメリカ本土だけでなく、オーストラリアやイギリスなど広域に渡ります。建国150年足らずの米国に勝利をもたらした飛行服が秘めるメッセージを数々のA-2から読み取ることができます。
〇フライングタイガース
中国国民党政府の要請で結成された対日戦闘部隊で“アメリカ合衆国義勇軍(American Volunteer Group; AVG)〜フライングタイガース”と呼ばれていました。中国で「百獣の王」「山中の王子」と崇められているトラが翼を得て最強とされたSQデザインはあのウォルトディズニースタジオがデザインしたものです。所属は米陸軍第14空群/23戦闘航空群、100機の航空機(カーチスP-40)とパイロットが米軍より配備され3つの部隊で編成されています。
トイズマッコイが2019年春にリリースしたType A-2”FLYING TIGERS"には、A.V.G.の3部隊、第一戦隊(アダム&イヴ)、第二戦隊(パンダ・ベアーズ)、第三戦隊(地獄の天使達)が描かれていましたね。A.V.G.の象徴と云えば「ブラッドチット」も外せません。Type A-2の背中やライニングには「来華助戦洋人 軍民一体救護」(この者は中華民国軍を援助するために来た西洋人である、軍・民無関係にこの者を支援すべき)と書かれた認証が縫い付けられていました。数あるA-2の中でも歴史の一途を描写した代表作です。
〇マイティ・エイス(Mighty 8th)
イギリスを拠点にドイツに対し昼間爆撃を展開した第8空軍はその戦歴戦果からマイティエイスと呼ばれていました。ボーイングB-17爆撃機やB-24リベレーター、P-51ムスタングなど、配備された爆撃機、戦闘機は3,000機に及びます。マイティエイスと呼ばれた彼らのA-2には部隊章や階級章は勿論、愛機のノーズアートと同じバックペイントが描かれていたのです。アメカジの黄金期である1990年代以降、私達が憧れ続けるA-2のカスタムモデル...その原型こそがマイティエイスです。
・Heavenly Body
2019年秋冬にトイズマッコイから発売されるType A-2「Heavenly Body」は巨匠、A.ヴァーガスが原画を描いたピンナップガールをモチーフにしたノーズアートカスタムA-2で、401BG-612BS所属のクルーが着用していた実物を復刻したもの。世の中に数あるカスタムペイントものの中でも一際、精巧に再現されたコレクターズアイテムです。
・メンフィス・ベル
第8空軍第91爆撃航空群第324爆撃飛行隊所属の爆撃クルー10名と彼等が搭乗したB-17Fの総称。「空の要塞」とよばれるB-17F爆撃機で25回の昼間爆撃を遂行した戦歴は、第303爆撃航空群第358爆撃飛行隊所属の「ヘルズ・エンジェルス」に続く偉業です。後に記録映画「Memphis Belle: A Story of a Flying Fortress」として本土公開(1944年)されていますが、私達にとってはむしろイギリス映画「メンフィスベル」(1990年公開)のほうが身近ですね。彼らクルー達のType A-2姿こそが着こなしの良き手本になりました。
〇スティーヴ・マックイーン
Type A-2の魅力を語るとき、銀幕の大スター「S・マックイーン」の存在は無視できません。彼が扮する映画「大脱走〜THE GREAT ASCAPE」や「戦う翼〜THE WAR LOVER」はともに1963年に公開された映画ですが、その中での彼の着こなしは誰よりも自然でカッコよかったですね。「マックイーンのように着たい!」そう思った方は数知れません。
如何でしたか、ここに挙げたメッセージは一部にすぎません。Type A-2を手に入れれば触れることは勿論、着ることも飾ることも出来ます(当たり前のことですが・・・)。5年、10年、15年・・・月日が経つにつれて出る皺や塗膜の剥離などの履歴がやがて貴方の大切な思い出となることでしょう。
引用:AMERICAN FLIGHT JACKETS,AIRMAN & AIRCRAFT
引用:TOYS McCOY OFFICIAL BLOG